2013年2月に読んだ本の一言感想とリンクの記録(Twitterから)。11冊。
『BEATLESS』(長谷敏司 著)
『ヒトデの星』(北野勇作 著)
『大気を変える錬金術 ハーバー、ボッシュと化学の世紀』(トーマス・ヘイガー 著)
『きまぐれロボット』(星新一 著)
『砂の女』(安部公房 著)
『地球科学に革命を起こした船 グローマー・チャレンジャー号』(ケネス・J・シュー 著)
『ビアンカ・オーバースタディ』(筒井康隆 著)
『天災と国防』(寺田寅彦 著)
『死刑』(森達也 著)
『Origins of Life, 2nd Edition』(Freeman Dyson 著)
『右利きのヘビ仮説 追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化』(細将貴 著)
『BEATLESS』(長谷敏司 著)を読了。ボーイミーツガールなラノベ的SFかと思ってたら、シンギュラリティ後の世界や、機械とヒトの関係性を真正面から考える重厚な話でもあった。うん、面白い。
『ヒトデの星』(北野勇作 著)を読了。偽物ばかりのどろんこ世界のヒトデナシが主人公。「私を私にしているのは、どの部分なのか。私は、なぜ、私なのか。」を真剣に悩むヒトデナシ。
『大気を変える錬金術 ハーバー、ボッシュと化学の世紀』(トーマス・ヘイガー
著)を読了。大気からの人工窒素固定を開発した二人の科学史と伝記。戦争との関わりなど負の側面も。最後は、地球の窒素循環を理解する必要を強調している。読みやすい。
『きまぐれロボット』(星新一 著)を読了。「火の用心」「花とひみつ」あたりが味わい深く、読後の余韻が良い。最後の「あーん。あーん」は、なんというか、怖い。
『砂の女』(安部公房 著)を読了。砂に埋もれていく家と村に閉じ込められ、脱出しようとあがく男の話。J・G・バラードの『○○世界』シリーズと似たような、じっとりとした陰鬱な読後感が残る。時期的にもニューウェーブ運動と同じ頃か。
『地球科学に革命を起こした船 グローマー・チャレンジャー号』(ケネス・J・シュー 著)を読了。プレートテクトニクス理論の立証、海洋無酸素事変や地中海塩分危機の発見など、初期の海洋底掘削計画の奮闘・興奮が伝わってくる良書。
『ビアンカ・オーバースタディ』(筒井康隆 著)を読了。表紙だけ見ると普通のラノベなのだけど、そこは日本文学界の巨匠。エロありスプラッタありメタフィクションありの、唖然とさせられる異様なものになっている。
『天災と国防』(寺田寅彦 著)を読了。災害に関するエッセイ×12。80-90年経っても有効な言葉が多いのがすごい。関東大震災前後の出来事を綴った「震災日記より」、災害の進化論的意義などを論じた「災害雑考」などが面白い。
『死刑』(森達也 著)を読了。Hくんが貸してくれたのをようやく読んだ。死刑制度への賛成・反対の理由付けに重要になってるのは結局のところ論理ではなく情緒、というのはまぁそうなんだろうな。
『Origins of Life, 2nd Edition』(Freeman Dyson 著)を読了。理論物理学者が語る生命の起源。かなり抽象化した議論だけど、「代謝が先で自己複製は後」
というダイソンの立場には、強く賛同できる。
『右利きのヘビ仮説 追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化』(細将貴 著)を読了。右巻き優勢の中になぜ左巻きのカタツムリがいる?という謎に対し、仮説考案→野外調査や実験→仮説検証という研究過程とカタルシスを追体験できる。